最近は読書にハマっている。
マイブームはころころ変わる。ブログを書き出したころは、DVD観賞にハマっていた。今はレンタルする手も途切れ、代わりに本に手を出すようになった。
今読んでいるのはこの本である。
- 作者: 宮沢章夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/07/28
- メディア: 文庫
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この番組、タイトルからまさにではあったのだけれど、興味深くて、正月三が日の深夜にやっていた再放送は、珍しくわざわざその時間まで起きて、がんばって観ていた。それ位興味深い内容だった。
それで興味をもったということもあって、この本を手にとるに至った。なぜはじめに戯曲を手にとらなかったのか、今思うとこれはのちに書く考えない人的な行動だなと思う。近々戯曲も読んでみたいと思う。
この本、エッセイ集なのだけれど、非常におもしろい。活字で思わず笑うというのはなんだかずいぶんしていなかったような気がする。
タイトルにあるように、"考えない人"たちの話。この考えない人というのがおもしろくて、考えずに旅に出るとか、考えずにオーディオの配線をするとか、とにかく《能動的に》考えないということについて書かれている。
うまくそのおもしろさを伝えることができないのがやきもきするが、なんと言ったらいいのか。
ところで、考えないということは難しい。ぼーっとしていても、いやぼーっとしているときこそ特に、人間いろいろなことを考えてしまう。そういうのはぼくだけだろうか。
本を読んでいる時間というのも、わりと考えてしまう時間である。本を読んでいると、目は活字を追っているのに、頭ではぼんやり違うことを考えてしまうということがままある。それゆえ、ときに頁をめくっているものの内容が頭に入ってこなくなり、結局戻って読み直す、ということもしばしばあったりする。
この、"本を読みながら考える"というのが厄介で、読んでる内容からときに飛躍して勝手な自身の思考の渦に入り込んでしまうこともある。
例えば文中で「寂れたインドカレーのお店」という言葉にぶち当たったとして、いったいどんなお店だろう……そういえば通勤途中の道ばたにそんな感じのお店あったな……看板にかいてあるランチがおいしそうで毎朝気になっていたんだった……明日のお昼はためしにそこでランチをしてみようか……いや、でも平日のお昼ごはんにそんなにお金出すのもな……そういえば炊飯器にごはんが余っていたんだった、明日はおにぎりにしてそれを持っていくことにしよう、勿体無いから……。なんて考えているうちに、なぜかいつもより質素な塩にぎりが翌日の昼飯になる、なんてことになったりする。
これならまだいい方で、仮に「地方の少子高齢化」なんてのに出くわしたりすると、勝手に現代の日本社会を憂い嘆いたりする。それも、その読みかけの本で手に入れた知識とかを適当に繋げ合わせて、それとなくもっともらしいところに落とし込んでしまったりするから厄介だ。少なくともぼくはそういう思考の飛躍をすることがよくあって、それに興奮して、その考えの結論を、順序をすっとばして人に話したりなんかすると「それはちょっと極端じゃないか」とよく言われたりする。考えの飛躍は、ときに役立つこともあるのだが、振り返ってみるとおおよそ役立たない結果に終わることが多い。
考えるといえば、疲れているときはかえって考え過ぎたりしてしまう。
よくあるのが、仕事帰りにスーパーに立ち寄り、その日の晩ごはんを決めあぐねることがよくあるのだけれど、そのときは本当にいろんなことを考えている。
キャベツを買っとけば明日も使えて便利だなとか、家に豆腐があったからこれを買っても仕方がないなとか、肉が安くないから肉は避けようと思ったけどそれだとちょっとさみしいから埋め合わせがほしいなとか、本当にパズルゲームのように脳内であれこれ献立を組み立ててしまったりする。
今思うとそのとき考えた"明日のメニュー"というのは、あまり実行されない。結局翌日も同じようにスーパーで悩んでいたりするわけだから、すっかり覚えていないのだろう。
そう、結局そうしてスーパーを出るときには考えることにヘトヘトになっていて、もう店の中で30分か、下手すると小一時間もうろうろしながら考えたことなんか忘れている。
そうして、店を出て家までの道のりの間、決めた食材を手に「あれ買っとけばよかった」とか「あっちにしとけばよかった」とか色々後悔することになる。そしてなぜか、玄関を開ける頃にはどうでもよくなっている。
ときに考えすぎずに、つまり優柔不断にならず、うじうじ悩まずパッと決めてしまった方が精神衛生上よいことは多い。わかっちゃいるけど、それがなかなか難しい。考えすぎるのを辞めたい、と思う。
文章というのは読むのと同様、書いているときもあれこれ考えてしまう。このブログも今日こそパパッと簡潔に書こうと試しに文字数を500か、せいぜい1,000字に収めてみようと思って書き出したのに、結局2,000字を越えてしまった。そして書きながら気になったことをググってみたり、言葉の意味が時々気になって調べてみたりしてしまう。
2,000字も書いたところで、本当に中身なんて何もないのだけれど。果たしてこれは、考えているのか、それとも考えていないのか。
最近読んでおもしろかった漫画。「考えない人」とどこか通じるものがある。
- 作者: 榎本俊二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: コミック
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