一言で言い表せば、「細文字系」というジャンルだ。
これは、特に今どきの漫画に多い。参考に、ググったら出てきたこの記事を見てみる。
ここに挙がってるものの半分位は、タイトルがシンプルな文字だ。
従来の、特に少年漫画は、タイトルの文字から凝っているものが多い。
例えば、ドラゴンボールとか
20世紀少年とか
のロゴマークのようなもの。
こういうのが、漫画のタイトルのロゴとしてはオーソドックスだったと思うのだけれど、近年はタイトルがものすごくシンプルなものが増えたと思う。
代表的な例は、浅野いにおだろう。
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適当に三冊ほど貼ってみたけれど、まさにこういうの。
浅野いにおは、こういうシンプルなタイトル文字流行の先駆けだったように感じるのだけど、どうなんでしょう。
こういう傾向は漫画に限らず、映画・ドラマ・音楽など、様々なところで見受けられる。(なにより広告シーンの影響は大きいだろう)
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挙げだすと切りがないが、とにかく多い。例を挙げるまでもなく、様々なところで見かけることができるだろう。
タイトルが細文字で書かれるのはなぜだろう。
一方、細文字タイトルの作品は、文字の印象通り、緻密・繊細という印象を受けるものが多いのかもしれない。
(もっとも全てがこの通りではないだろう。また、最近はそういうものが溢れていて、とりあえずそうしとけ的な傾向があるようにも感じる。)
こういう傾向は少なくとも2000年代から出てきたもののように感じるのだが、思うにこのあたりで関心が社会や世界というものから、個人に、どこかで聞いた言葉を借りれば「半径数メートルの世界」「あなたとわたしの世界」に着目がいくようになったのではないだろうか。
これはちょうど、インターネットが普及しケータイを一人一台もつのが当たり前になってきた時代背景とも重なっている。
自分が書店や、ライブや演劇のフライヤーなどでも、思わず手にとって見てしまうものは、この傾向にあるものが多い。それはそういうのを好んで手にとってしまう節もあるのかもしれないが、それ位には巷に溢れているということでもある。
ぼくが気になるのは、そういうジャンルのものがいつの間にか、もう目新しいものではなくなった、ということだ。飽和状態。そうなると、次のものが出てきたって、そろそろおかしくない頃合いだ。
先に挙げたドラゴンボールなどのような題字のものを対照として「太文字系」と名付けるのなら、この太文字系にも細文字系にも分類しえないものというのもあるはずだ。
それは例えば、今みたいな(つまり細文字系の)ものが流行る前の小説あたりはそれに類する気がする。
やはり今の小説も、緻密・繊細な印象を受ける。張り巡らされた伏線や、読みやすく透明感のある文体。個人的にはあっさりとした印象を受けるものが多い。
そういうものでないものに、なんと名づけたらいいのだろう。
もちろんこの「細文字系」というのはぼくが勝手に考えた言葉で、勝手に名づけたわけだけども、名づけたというのはそういう傾向を見つける位に数がある、ということになる。
この名がまだついていないところに、次の可能性があるように思う。
アイドルブームなどもそうだけれど、飽和状態にあるように感じてしばらく経つように思うのだけれど、果たしてこれからどうなっていくのだろう。そんなことに少し、興味がある。
もちろん、この飽和状態に感じる空気は、まだまだ続くのかもしれない。