なるべくまいにち

名古屋で暮らしてます

圧縮された《青春》を掘り起こす 〜孤独部『大学生』について

公演が迫る、『大学生』について、考えている。

f:id:nagoyaman:20150503234233j:plain

今回の表面キャッチコピーは、

「あの頃は、青春だったね。なんて、言わないで」

《青春》の一言で圧縮し片付けてしまっていることがある。学生時代という言葉で、淡い恋愛や熱い友情や汗を流したグラウンドの記憶を都合良くまとめてしまっているように、わたしたちは本当はあったはずの惰性、退屈、恥ずかしいことや苦い出来事を、上手になかったことにしている。見ないで済むようにそれらに、《青春》というレッテルを貼り、引き出しの奥底にしまい込んでいる。

(大人になるということは、顔から火が出るような恥ずかしいことも、思い出すのも辛い苦い思い出も、全て引き受け背負って、それでも地面に立つということなのかもしれない。)

簡単に、《青春》の一言で、若気の至りはなかったことのように振る舞うことができる。しかし、確実に今の自分と地続きにある過去の自分を、なかったことにしてしまうなんてあんまりじゃないか。そうすることでわたしたちは、本当は忘れちゃいけない自分の大事な部分も一緒に、引き出しの奥にしまい込んで、切り離しちゃってるんではなかろうか。

今回の話は、軽音サークルの話。バンド活動、あるいは部活動・サークル活動、思い当たる節が人それぞれあるかもしれない。また、今作では学生運動にも触れている。今から45年ほど前、当時の大学生たちが本当に行った活動(その当時の人たちは今、だいたい65〜70歳前後位ということになる)。当然わたしもまだ生まれていないから、想像の域を出ないのだが、同じ年齢(今回の作品はタイトルそのまま、『大学生』のお話)の人々が行ったことを通じて、単に「青春だったね」なんて言わせない、《青春》って言葉で片付けられてしまった部分を掘り返してしまいたい。

ただ決して、観ていて辛くなったり暗い気持ちになったりさせたいわけじゃない。暗いとか明るいとかそういうんじゃなく、ただ自身の《青春》と名づけて圧縮していた時間に、静かに向き合うような。そういう機会になればと思う。

引き出しの奥にしまったままの日記を読み返すような。忘れていた自分と再会するような。そうして本当に(観た人ひとりひとりの)自分にとっての大事なことを、確かめられたらと思っている。

生活の中で、わたしたちは大事なことほど見失ってしまいがちだから。劇場に足を運ぶ時間が、自分自身と静かに向き合うひとときになれば。『孤独部』なんて一見ふざけた名前には、「たったひとりきりの部活動」という、そんな思いを込めていたことを、思い出しました。

f:id:nagoyaman:20150504003140j:plain

孤独部 第散解公演『大学生』

 2015年
 5月 15日(金) 19:30- 16日(土) 11:00- / 16:00- [全3公演]

 場所:千種文化小劇場[ちくさ座]

チケット料金

 予約一般 2,000円
 大学生 1,500円
 高校生 1,000円
 当日料金 2,500円(一般・学生一律)
 事業団友の会会員  1,800円

チケット取り扱い

 * 孤独部webサイトhttp://kodokubu.net
 * 千種文化小劇場[ちくさ座] 052-745-6235
 * 名古屋市文化振興事業団チケットガイド 052-249-9387

※受付開始は開演の45分前、会場は開演の30分前です。ご精算順に入場整理番号を配布いたします。※日時指定・全自由席※未就学児入場不可。※学生の方は学生証の提示をお願いします。※専門学校生は大学生料金となります。

孤独部webサイト

公演の詳細・チケット予約はこちらから→ http://kodokubu.net/