孤独部の日誌

名古屋とサウナとひとり旅

年末がこわい

なんでかわからないけど、年取ってから年末が怖くなってきた。

小さいころはクリスマスプレゼントにお年玉、大晦日は紅白見て普段寝てる時間まで起きて、神社まで行っておかしもらって近所の友だちに会って、それからテレビをだらだら見ながら初日の出まで起きてるぞなんて意気込んだり……

冬休みってこともあってか、嫌いじゃなかった。むしろ好きだった。冬も好きだった。

 

最近は冬が苦手だ。年末になると不安のような寂しさのような、こわい気持ちに襲われる。

もしかしたら実家を離れてからなのかもしれない。実家がなくなって帰るところがなくなったし、その前から帰ることはほとんどなかった。なんとも思ってないふりをしていたけど、ほんとはけっこうそれがでかいのかもしれないな。

帰るとこも行くとこもないので、親に会って晩ごはんを一食たべるくらいで年末年始は特に予定がない。そういえば同級生に会うのも大学卒業する頃にはなくなっていた。

小さな鏡餅もしめ縄も用意しないので、年末年始に普段と代わり映えのしないワンルームにいると、正月らしいものなんてせいぜいテレビの特番くらいしかない。そうするとまるでじぶんのいるワンルームだけが世間から取り残されたような気になる、いや、まるで正月というイベントがテレビやスマホの向こう側だけの出来事のように思えて、ほんとはまだじぶんは年を越えれてないんじゃないか、みたいな、時差、みたいな。そんな気がしてくる。

そのあと数日もすれば平常運転に戻って現実世界と次第にリンクしてその感覚は忘れてしまうわけだけど、あの感覚、旅行の反対、まるでじぶん以外が旅行に行って帰ってきたみたいな感じ、あれは毎年訪れる。今年もたぶん。

これまでも年越しや正月を友人とすごしたりだとかしてるけど、一つ二つのイベントごとではあまりこの実感は変わらない。一人の部屋の存在感がでかすぎる。

二人だったら解消するとかの問題じゃなくて、たぶん家族ですごすあの感じがないと越えられないのだろう。

流行語や今年の漢字が発表されて、いよいよ今年も終わるんだなという雰囲気が出てきた。街ゆく人の服も重く暗めのトーンになった。来年は2018年か。西暦の数字が変わるたびワクワクするみたいな感じは最近ないな。2020年にはあるだろうか。年末感もこわいけどそれ以上に平常運転に戻ってく感じが一番苦手だ。この先真っ白な地図が横たわってる、みたいな。祝日もないし。予定あるなしの話じゃなくて、ああまた一から積み上げる日々がはじまるのだな、的な。寒い季節が年々苦手になっていく。