孤独部の日誌

名古屋とサウナとひとり旅

pha「がんばらない練習」を読んだ

phaさんの新刊が出た。発売日に買って読んだ。

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「がんばらない練習」。買ったときは知らなかったんだけど、これは幻冬舎文庫plus連載の「猫を撫でて一日終わる」がまとめられたもの。なのでネットでも読める。

じぶんもいつからか連載を読んでいたので、読み覚えのある文章がでてきて「あれ?これ読んだな?」と思った。

いわゆるエッセイで、一つあたりが短い。なので、本という形で手元に置いておき、暇なときにパラパラと読むにはちょうどいい文章だ。

読みはじめから共感する。話のタイトルだけピックアップしても「会話がわからない」「すぐに帰りたくなってしまう」「話しかけてくる奴は全員敵」「旅立つのが下手だ」「自分のことしか書けない」などなど……わかりみが深い。

phaさんの文章が好きで、本はいつのまにかほぼ全部持ってる気がする。じぶんにとって水のようにするすると入ってきて、重くなくて、「同じようなこと思ってるひともいるんだ」と安心する。

 

連載で読んでたときはひとつひとつを味わって読んでたんだけど、こうして一つにまとめられて一気に読むと、バラバラにかかれた話の中に共通して流れるものを感じる。

読み終わって、「人と会ったり何かをするのはすごくエネルギーを使うのでしんどいけど、まあ何かやってみようかな」という気分になった。

世の中は「あれもやろう!これもやろう!」とか「あれはよくない、あれもダメだ」とか強いメッセージが溢れてるけど、これは読んだら「だるいしなんもやる気しない……でもいいか……(間)……さてそろそろ、だるさにも飽きたしなんかやってみるか」みたいな温度感でもいいんだ、と思わせてくれた。

あと今までなかった、恋愛や性の要素が時折あるのが、人間くささがあってより身近というか、隣人のことのように感じられた。

 

ちょうど家に置いてあるマンガのような手軽さで、ときどき手にとって読み返したくなる本だ、今回のも。

がんばらない練習

がんばらない練習