北アルプス国際芸術祭に行ってきました。
友人に誘われて、名古屋からレンタカーを借りて向かいました。
行き
名古屋の某レンタカー屋に朝7:30に集合。そこから高速で安曇野ICまで行き、下道で信濃大町駅前を目指す。パーキングに何度かゆっくり寄りながら、13時ごろに現地へ到着した。
高速を降りてすこし走ったところにあった道の駅付近で撮った一枚。
北アルプスに来たのははじめてだったけど、頭の白い山々や道ばたに咲くきれいな花々、すっとした空気、すべてことばのイメージ通り「北アルプス」って感じだった。そうそう、高度が高いからなのか空の感じもなんだか普段より近く感じた。
ソードアート・オンラインの22層(キリトくんたちが家を買うところ)みたいだと思った。VRみたいな異世界観をすこし感じていた。こんなところでひと月くらいぼーっとすごしてみたい。
信濃大町駅前。雰囲気のある駅舎。電車で来るのもたのしそう。
ロータリーを挟んだ向かい、駅のすぐ前に芸術祭の案内所がある。ここでチケットをパスポートに引き換えてもらってスタートした。スタンプラリーになっており、各作品の入り口でスタンプを押してもらう仕組み。
駅周辺の1〜10を見ることと、お昼ごはんを食べること、そしてその日ちょうど16時から開催の伊藤キムさんのダンスがあったので、それを見ることに。
たゆたゆの家
1Fの展示がとてもよかった!
くるくる回るモビールには透明な板に黒でシルエットや絵がかかれていて、ライトでそれらが壁に映し出される。また、モビール下の床には水が張ってあって底には鏡が。光を反射して天井には光の模様が映っている。上から水滴が落ちるようになっているため、水面が揺れて光の模様も常に揺れている。
写真を撮り忘れたのでことばでの説明になってしまった。アナログなしくみで常に揺らいでる室内はとても居心地がよかった。
2Fの展示もおもしろくて、50cmくらいの大きな網目のものがシャボン液につけられていて、なわを引くとそれが上に上がってくる。向こう側からこちら向きにサーキュレーターが何台も取り付けてあって、その風で巨大なしゃぼん玉が発生する。うまくいくと巨大しゃぼん玉がこちらに向かってとんでくる。
こちらも仕掛けはシンプルだけど、左右の柱が黄色に塗ってあったりとぬかりない。2Fへ上がる階段もパステルカラーに塗られていて、空間全体に手が入っていてよかった。
∴ O = 1 change-and-conservation
二つの蔵による展示。まず蔵がよいですよね。
右が1つ目、左が2つ目。
1つ目は、ライトが下に設置された装置で、その上の内部に水が入っている。
鑑賞者は作品から発せられる音や光によって、循環する水のイメージを体験し、大気中に漂う水の存在をはっきりと思い起こすだろう。作品は流動的に変化する美しい水の流れを呼び起こし、豊かな自然を実感させる。
この土地そのものについて思いを馳せることのできる作品。
2つ目の作品がとっても好みでした。
写真中央の棒の先端から水滴が垂れる。下の鉄板は熱くなっていて、水滴が落ちるたび音を立てて蒸発していく。また2Fにもつづいており、棒の上はフロート上のところに氷がある。つまり溶けた氷が下に水滴になってでてきて、熱せられて気化してる。
灯りが小さなライト一つのみでものすごく暗い。静謐な雰囲気がすごい。蒸発するときに水が無数のとても小さなつぶになって盤上で踊る。視覚的にも聴覚的にもとてもひきつけられる作品だった。ずっとぼーっと見てられそう。
昼ごはん
おひるごはんはガイドマップに載ってた「仁科そば店」というところに入った。
おうちみたいな雰囲気の店内には野球のデイゲームの放送が流れていた。おばちゃんもアットホームな感じだった。そんな中でもりそばの大盛り(¥700)をたべた。
うまい。おなかいっぱいになった。
ちかく・とおく・ちかく
この作品、とてもかわいかった。会場内に流れてたVTRで作家さん自らまちを歩きながら下の写真のようなのを貼っていた。その様子がかわいかった。
それからまちをよくよく見てみると、至るところに張ってあった。それまでゆっくりあたりを観察しながら歩いていたつもりだったけど、全然気づかなかった。
「ちかい」「とおい」ってひらがなでかいてあるのがかわいい。
3枚並んで張ってあるところ。たしかうさぎが、左からとおい・ちかい・とおいです。かわいい。
名店街
「名店街」という商店街通りを歩く。道路の模様も作品の一つ。いま公式サイトをみて知ったんだけど、この作品は2014年のイベントで制作・展示された作品だそう。どおりで年季入ってたわけだ。
「私は大町で一冊の本に出会った」は本屋みたいなところで、全ての本のカバーが製作されていた。すごい量である。
北アルプス 高瀬川庭園
細い磁器で山の上流から下流へと流れるようにつくられてる。無数の細い糸で釣ってあって、これ搬入設置すごいたいへんだろうな……と思った。もし触れたらポキっと折れてしまいそうなものが、無数に吊り下げられて一つのものになっている光景はすごいの一言。建物の入口には「高瀬川庭園」とおしゃれな感じで出ていて、建物の雰囲気そのものとも融合していた。
第1黒部ダム
最初に裏側から覗いたんだけど、「なるほどダムか」と思って表側に回った。
入口受付が銭湯みたいだな〜と思ってたら足湯だった。2Fにのぼって順路を進むと足湯が現れた。
足湯に浸かりながら撮った一枚。
吹き下ろす風をスモークで表現し、視覚的にも足的にもとても心安らぐ時間だった。単純に運転などで疲れた足に嬉しかった。とても元気でた。足湯はこういうイベントで毎回あってもいいと思った。
ダンスを探せ!伊藤キムを探せ!
足を運んだこの日、ちょうどこのパフォーマンスが行われる日だった。
16時ちかくになってきたので、上記の名店街に再び足を運んだ。実際に始まったのは10〜15分おし位だっただろうか。どこから現れるかわからないため、観客たちは道の両端に寄って商店街の両端をきょろきょろと気にして待った。
キムさんがダッシュで登場、それからしばらくしていつしか観客をまきこみ、商店街内の建物2階からマイクを使ってのパフォーマンスに。最後はその場全員でバンザイ三唱で〆。終了後は記念撮影タイムがちょっとあった。サービス精神あふれている。たのしい時間だった。
簡潔にまとめると、コンテンポラリーダンスを全く知らない人にもたのしめる「ダンスとは?」に触れることができるワークショップのようだった。短い時間にこれだけの観客を前に、わずか20分程度でこんな濃いものができるなんて。子どもも大笑いしていた。
このパフォーマンスが非常にシンプルながらむちゃくちゃよかったのでまた後日振り返ってかきたいと思う。
パフォーマンス中に「ナン」を連呼する場面があったけど、ここからインスピレーションされたのかしらん。
セルフ屋敷2
パフォーマンス終了すると16時半を過ぎていた。のこり30分もない位だったので、残りの作品をみた。
こちらは一軒家をまるまる改造した作品。各部屋ごとにいろいろあって、神社があって謎なおみくじが設置されていたり(一回¥100。やったら「守り神」とでた)、動物のお墓らしきところがあったり。トイレには謎のカタカナが大量に貼られたところがあったりと、なかなかにホラー感ある、手づくりお化け屋敷にも似た雰囲気で五感でおもしろかった。終了間際で駆け込みの来場者も多かったため、それも含めてアトラクション感があった。
外観。外観だけみると落ち着いてるけど、中はなかなかすごかった。
帰り
17時に終了。駅前に戻って、駅横のおみやげ屋さんでおみやげを買った。
水は、駅前のインフォメーションセンターでもらったもの。信州りんご味のカントリーマアム。右上はおまけでくれた。右下のは光るイガイガボール。ギタリスト高野さんがつけてるやつだ!と思って衝動買いした。
帰り道に工事渋滞が発生していて、ちょっとたいへんだった。ぼくがもらしかける事件が発生した(結論だけ言うともらさなかった)。これについてはまたあらためて触れたい。
SAで晩ごはん。豆乳野沢菜ラーメンをたべた。
渋滞にはまったこともあり、帰宅は12時頃になった。でもまだ電車動いてる時間だったのでよかった。
北アルプスなのでけっこう遠かったけど、駒ケ岳くらいだったら2時間程度で着くみたい。長野は意外と近い。涼しいし空気もおいしいので、夏に避暑しに行きたい。
北アルプス国際芸術祭の会期は7月30日まで。まだしばらくやってます。
市街地以外見れなかったので、ほかのエリアのも見たいなぁ。