最近、もりもり本を読んでる。
アメリカン・ブッダ
「柴田勝家」という作者ですが、武将ではないです。SF×民俗学の短編小説集。
「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」って短編が読みたくて購入。タイトルだけで面白そうすぎる。
作品は意外にも(?)ふざけた感じではまったくなくて、文体も堅め。でも読みやすい。そして、どの短編も質が高くて読み応えがあった。しかも作品ごとにアプローチは異なっていて、作家の力量が非常に高いのを感じた。
SFって、設定が中途半端だったりラストでぶん投げられたりすることがよくある印象なんだけど、この方の作品は丁寧に、かつ簡潔に書かれている。すごい。
「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」はもちろん、「検疫官」や表題作「アメリカン・ブッダ」もお気に入り。
とても面白かったのでおすすめです。
幻獣ムベンベを追え
「辺境作家」高野秀行のデビュー作。
早稲田大学探検部による、コンゴの奥地にいると言われる"ムベンベ"という生き物を探しに行くノンフィクション。
ぶっ飛んだやつらがぶっ飛んだ冒険をするフィクションって色々あると思うけど、これはノンフィクションであることに驚かされる。とても読み応えある。
「宇宙よりも遠い場所」という南極を目指す女子高生のアニメがとても好きなんだけど、人によっては、"女子高生がほんとに南極なんか行けるわけないだろ" とか思うかもしれない。
が、これを読むと、南極よりも過酷な挑戦をマジでやってる奴らがいるんだな!と思わされる。
謎の独立国家ソマリランド
同じく高野秀行の本。
アフリカのソマリアにある謎の未承認国家「ソマリランド」と、その隣国の海賊国家「プントランド」戦国地域「南部ソマリア」を取材している。
これも異国、それもかなり異世界的な地域を旅している気持ちになる。
ただの旅行記ではなく、謎に満ちたソマリア社会がどのような構造なのか、徹底的に取材し解き明かしている。
そのへんの異世界モノよりも断然異世界モノである。フィクションを凌駕するノンフィクション。目から鱗の連続である。
(ところでなんで異世界モノってドラクエみたいな世界観ばかりなのだろう?ドラクエ的なRPGゲームって、現在ではそんなに流行ってる気がしないんだけど)
ソマリアの国情を、戦国時代の武将に置き換えて説明するなど、作者の工夫もすばらしい。
事実ベースで淡々と書かれる文章も読み応えがあっていい。
(旅行モノって、よく作者の感情的な文章で綴られがちなんだよね、"おれはすごい経験をした!感動した!"の押しつけみたいなやつ。あれ苦手)
麻薬的な葉っぱの"カート"、一回やってみたい。
同じく高野秀行の本、3冊目。実は最初に読んだのはこれ。
こちらは"野々村荘"という3畳(途中から4畳半)のアパートに10年くらい住んだ中での出来事が綴られている。
3畳って、ぼくには吉田拓郎の唄(神田川)でしか知らない世界観だ。
内容も、バブル真っ只中の頃とは思えない、まるで漫画の中みたいな世界。日本の中にもこんなわけわからない場所があるんだな。
間違う力
高野秀行の本4冊目。すっかりハマってしまった。
「辺境作家」としてどのようなポリシーを持ち、"間違えて"きたのかを綴っている。
紹介されるエピソードを通して、他の本ももっと読んでみたくなった。今後もっと読んでみようと思う。
紹介した、柴田勝家・高野秀行の本にハマり始めた。他の著作もガンガン買った。
このコロナでなかなか旅行に行けない状況、本の中だけでも異国を味わえてとてもたのしい。
SFももっと読みたい。
他にも何冊か読んだ本あるけど、またの機会にする。