最近は、DVDを借りてきて観るのにハマってます。
ぼくはあんまり映画を見るほうじゃないので、気になっていたものや、有名作・話題作をとにかく手当たり次第。忘れないように1つずつメモってみようと思います。
※ ネタバレもあるのでご注意ください。
アメリ
音楽だけは前から知っていて、気になっていた作品。というのも、学生時代に芝居の音楽を探していて、偶然聴く機会があったので。それからずっと気になっていたのに観ないままだったので、ようやく観ることができました。
まず、冒頭のナレーションが好き。そこから軽やかに駆け抜けていく手ざわりは気持ちいいものでした。出てくる人物たちが個性的な面々なんだけど、皆憎めない感じがして、かわいい。
証明写真を拾い集めるとか、窓の外の時計をカメラで写すとか、そもそもそういう発想がじぶんじゃ思いつかないことだったので、この人物たちを思いついたのがまずすごいなぁと感心してしまった。でもなんかわかるんだよなぁ、「ああこういうひといる(かもしれない)」って思わされる書き込みがされているように感じます。
アメリの父親が最後に旅に出るところは、その1つの例というか。そりゃ家の庭にあったドワーフの人形が、世界旅行して写真まで送ってくるなんてことがあったら、なんかそういう気持ちになるよね。
こういう気持ちを忘れたくないなと思わされる映画でした。また観よう。
モテキ
ここのところずっと、テンポの早くて若者的な映画をみたいな〜と思っていて、手にとったのがこれ。最初四人の女性との恋愛をめくるめくしてくのかと思ってたけど観てみたら違いました。
とにかく詰め込まれた現代サブカルのオンパレードが興味深かった。知らないのもけっこうあって悔しくなった。一番驚いたのは、ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい)が出ていたこと。今度対バンする方です……!
ツイッターのあの感じも今の若者にはあるあるだと思ったし(作中ではDMでやりとりしてたけど、今だったらLINEだね。この1,2年での変化を感じる)、 カラオケに時分の思いを載せちゃう中二心も共感できてしまう。出てくる曲のチョイスも、ちょうどぼくあたりはストライクゾーンでした。(いや、気持ちもうちょっと上かな)。
強く印象に残った台詞が、主人公にフラれる女が言い放った「神聖かまってちゃんとか聴くから!」の一言でした。
"趣味が合わない"というのは、客観的にみれば些細でバカバカしいことかもしれないけど、当事者としてはときにものすごく大きな隔たりになる。あの一言はなんだかものすごく端的に、今の若者の生態というか、あり方を浮き彫りにしたように思います。出てくる人物も、実際まわりにいそうな(名古屋にはあんまりいなさそう、東京っぽい)人物像でした。
そういう点では、仕事に恋愛持ち込んで喧嘩売るみたいなトコとか(若者の性格的に)「そんなわけあるか」と思う点もありましたが、概ねすごく現代の若者の虚像を映し出してる感じがしました。
麦秋
小津安二郎監督『麦秋』。小津映画はこれまで何本か観ていて、とても好きです。
ぼくは安い缶ビール一本だけ飲みながら、小津映画見てたら幸せです。
まだいくつも観たわけではないけれど、同じようなことをやり続けているのが本当にすごいと思います。無意味とも思えるような1カット1カットがとても愛おしい。何気ない一言一言がかけがえのないものに思える。そして描かれている時代の空気を、見事に閉じ込めているように感じます(もっとも、当時を知らないぼくには本当のところはわからないのだけれど)。
たぶん自分の両親か祖父母くらいの時代だと思うのだけれど、だからか観ていると、母親の若いころを想像したりしてしまう。ときおり台詞の端々に、母親の口ぶりに似ているところを感じます。
この『麦秋』は、お見合い結婚させられそうになる娘が、結局近所の顔見知りとの結婚を決めるというもの。結婚のあり方が今とずいぶん違っていたこと、そしてそれが変化を迎えようとするだろう時代の流れを感じとれる。当然ぼくは当時の結婚観や恋愛観は全然わからないのだけれど、それでもというか、だからこそ感じ入れるところがあるように思います。
こういう作品をいつかじぶんもつくりたいなぁと思います。
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これほしい。¥2,000ほどで9枚って……安すぎやしないだろうか。
とりあえずまずは3本紹介。まだ続きます。