The Neverending Story (ネバーエンディング・ストーリー) - Limahl ...
ミヒャエル・エンデの作品に興味をもって手にとった1本。
子どもの頃、『モモ』を読んだのをふと思い出した。それで、先日孤独部が上演した『平成』の中にも登場させた(もっとも、ほとんど中身には触れていないけど)。そのとき調べているうちに、この『モモ』を書いたミヒャエル・エンデが『ネバーエンディング・ストーリー』の原作者だと知った(『果てしない物語』というタイトル)。
- 作者: ミヒャエル・エンデ,上田真而子,佐藤真理子,Michael Ende
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1982/06/07
- メディア: 単行本
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『ネバーエンディング・ストーリー』というタイトルだけは、どこかで耳にしたことがあったけれど、ミヒャエル・エンデが原作だなんて知らなかった。というわけで、この機会にみることにしました。
主人公、バスチアンはいじめられっ子で、母を亡くしてからは父親と2人だけの寂しい生活を送っていた。そんなある日、いじめっ子から逃げるために飛び込んだコレアンダー書店で彼は不思議な本「ネバーエンディング・ストーリー」と出会う。本を読むと物語の主人公になれる、本の世界に籠にも乗れる、だから本が好きだと力説する彼に書店の主は「だが、それらの本は読み終われば現実に戻される。この本は危険だ。」と止めるが、どうしても読んでみたいバスチアンはこっそりとその本を盗んでしまった。
学校をサボって本を読み始めたバスチアンはネバーエンディング・ストーリーの世界に浸り始める。内容は、虚無による崩壊の危機に瀕した世界ファンタージェンを救うため、草原の勇者アトレイユが旅立つといった冒険小説だった。物語に胸躍らせるバスチアンだったが、徐々に奇妙な現象が彼とアトレイユを繋げていく。
ファンタージェンの世界での冒険は、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのようなRPGゲームのようでした。というか、おそらくこれに影響を受けてこれらRPGゲームはできているのだろうか。その後続く両タイトルをはじめとするゲームのシナリオに大きく影響を与えているとすると、とても興味深い。いったいゲームのシナリオはどこに起源があるのか気になります。
そんな児童文学らしい、子どもが夢中になれる物語と同時に、"本の中の世界"と"現実の世界"のメタフィクション構造になっていることにも驚かされました。しかも、両方の世界を行き来しながら描き、最後にはないまぜになっている。このあたりのさじ加減もなかなか見事。
演劇でも今、"ポスト・ドラマ"が流行っている風潮がある。だからというわけではないけれど、このメタフィクションの構造をうまいこと組み込んでいる(しかも児童文学で)のは鮮やかだなあと感じました。とても参考になる。
映画『ネバーエンディング・ストーリー』は、原作『果てしない物語』の前半部分しか描いてないらしく、しかも改変されているようで、原作者ミヒャエル・エンデが激怒したらしい。原作では後半で、主人公が本の世界に入り込んでからのおはなしが描かれているらしく、より濃い物語のようで気になる……