「自分もインタビューされてみたいな」って思ったのがきっかけ
―これから、セルフインタビューをはじめようと思うんですけど。
私︰はい。
―そもそも、セルフインタビューってなんですか?
私︰自分で自分にインタビューしたつもりで、記事にするってことですね。本当だったら、誰かが録音とかして書き起こして、それを文章に直すっていう手間ひまがかかると思うんですけど、それは全部脳内で行ってるから手間ひまがかからない(笑)
―なるほど。
私︰人件費とかも一切かからないし、なんか取材されたみたいな気持ちになるから、テンションも上がる。やる側にもメリットは大きいですね。
―セルフインタビューをやろうと思ったきっかけはなんですか?
私︰「自分もインタビューされてみたいな」って思ったのがきっかけですね。
音楽雑誌とかで、アーティストのインタビュー記事とかあるじゃないですか。あれ、中学生・高校生くらいのときによく読んでたんですよね。ぼく、中学のときGLAYめっちゃ好きだったんですけど。
―あ、好きなんですね、GLAY。
私︰はい、仲良かった同級生の影響で。GLAYくらいのアーティストだと、GLAYだけ載ってる本とかもあるじゃないですか。でも、当時は中学生だからおこづかいの中でやりくりしなきゃいけない。だから、近所のブックオフを何件も回って探してきて。それを、何度も何度も読み返してました。
―今も持ってるんですか?
私︰いや、もうぼくは持ってないんですけど、この前弟の家に行ったら棚にきれいに並んでて。びっくりしたんですけど(笑)
今度はぼくの影響で、弟がハマってたんですね。今でもライブとかよく行くらしいです。
―セルフインタビューは何度かやられてるんですか?
私︰実は、何回か。過去には実際にインタビュー受けたり、見よう見まねでインタビューしてみたりしたこともあったんです。
あるとき自分のインタビュー記事つくりたいなと思ったときに、過去にメールのやりとりでインタビュー仕立ての記事をつくってもらったことがあったので、それができるなら、セルフで書くこともできるだろうと。
―なるほど。一応インタビューの経験が生かされてるんですね。
私︰そうですね。まあ、そんなに経験はないんですけど……。
そのときどきの自分を、何かしらの形で残しておきたい
―どんなインタビューを受けたいな、とかありますか?
私︰やっぱり、当たり障りのないことよりも、バンドが解散の危機のときとか、過渡期のような、ナイーブな内容に触れてるものって、ぐっときますよね。どうやって乗り越えてくんだろうって、身を乗り出したくなりません?
―なりますね。最近、ナイーブになるようなことありましたか?
私︰最近……。(しばし沈黙)最近、急に寒くなってきたじゃないですか。ぼく、冬生まれだからかずっと冬の方が好きだったんですね。
だけどここ数年、だんだん冬が辛くなってきたんです。思い当たる理由は、20代も半ばを過ぎて運動もしないので、基礎体力が落ちてきてることだと思うんですけど。
今までは疑いなく、自分の生まれた季節が好きで、ずっとこれからもそうだろうってどこかで思ってたんですけど、そうじゃないんだな、って。
人は気づかないうちにだんだん好きなものも変わっていくし、たぶん性格とかもいつの間にか変わってくんだと思う。
でも今(2016年)の自分も、昔の小さい頃の自分も、今よりもっと変わってしまってるであろう何年後かの自分も、全部自分じゃないですか。同じ名前で。
だから、そのときどきの自分を、何かしらの形で残しときたい、って思いはありますね。別にそれは誰の為っていうのでもなくて、ただただ自分の為に。
だから、こんなことやってるのかもしれないですね。
―ありがとうございました。
(2016.11.某日 名古屋市内喫茶店にて)